古市くん嫌われ

□It is falsehood instead of being true. 2
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「ちょっと聞いてんの!?!?」




少し考え事をしていた古市に寧々は言った。


さっきから烈怒帝瑠の方々が自分の机を囲んで散々罵られていたところだ。


「考え事する余裕があるなんていい度胸っスね!!」


そろそろさ…

はじめないと…



俺にはあと1週間しかないんだから。



「ちょっと!聞いてるのって…」


寧々が最後まで言い終わらないうちに

バキッ

という木材が割れる音がした。


古市が椅子に座ったまま机の上に足を落としたので机が真っ二つに割れたのだ。



あれ?割るつもりなかったんだけど…

力の加減難しいな…


なんて思っている呑気な古市とは裏腹にクラス全員、男鹿も含め唖然としていた。


まさかあのひ弱な古市が机なんか割れるわけない。

机の方が老化でもしてきたんじゃないのか。

なんて思う間もないだろう。


それよりもはやく古市が口を開いたから。



「あのさー。

ぎゃーぎゃーうるさいんだよね。


子猫ちゃんたち??」



周りは固まって動けなかった。


古市の微笑む綺麗な表情を見てしまえばなおさらだ。



「あ…あんた…

そんなこといえる立場だと…ひっ…」



古市に対して悪態をつこうとした烈努帝瑠の1人は古市がそちらに顔を向けるとおびえてしまった。


そんなことをすれば3代目烈怒帝瑠総長の邦枝葵が黙ってはいない。


「古市くん…

あなたにそんなことを言う資格なんてないでしょ。

それほどあなたは蘭にヒドいことをしたのよ。」


「ね、姐さんの言うとおりよ。

それにあんた。あの後蘭に謝ってすらないじゃない。

普通はそれが通りでしょう。」


寧々もそう言った。

先ほどのよりも凄みに欠けるが。


するとまた烈怒帝瑠の面々も次々と

そうだそうだ

と言い出す。


まったくだ。


「だからさぁ。」


少し大きめの声で言うとみんなまたビクついたようで黙ってしまった。


「うるさいって言ってんだよね。

聞こえないの??


子猫ちゃん??」



そう言って古市は教室を出た。


最後に


「それじゃあ、みなさん。

ごきげんよう。

また明日お会いしましょう。」


そう微笑んで。




古市に残された時間は

あと6日。
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