古市くん嫌われ
□It is falsehood instead of being true. 5
1ページ/3ページ
「まったく、このドブ男。
いや、ドブ男にしておくにすら惜しいわ!」
不機嫌そうに男鹿に愚痴るヒルダ。
「だから悪かったって…」
「私に謝っても仕方なかろうが、馬鹿者!」
その様子を微笑ましく眺める古市。
「俺のことはもういいですよ。ヒルダさん、ありがとう。」
「…そうか…?まぁ、お前が言うのなら…」
古市にたしなめられ渋々愚痴るのを止めたヒルダ。
「…ったく…しつけーんだよ。」
ボソッと呟く男鹿にヒルダの蹴りが入る。
いてっ!と怒る男鹿。
対立する2人の間にまぁまぁと割って入る古市。
さっきからヒルダは男鹿がずっと古市を助けなかったことに愚痴っていたのだ。
こんな日々が帰ってくるなんて古市は思ってはいなかった。
きっと男鹿には一生うらまれるだろうと思っていたからだ。
「何にやけてんだよ、古市。」
「いーやーべつにー。」
ニヤニヤしながら眺める古市に意味深な視線を向ける男鹿。
その様子を先ほどの古市のように見つめるヒルダだった。