リクエスト
□弟(mimi様キリリク)
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次の日、古市はまた1人で登校した。
最近はずっと1人で登校している。
「おはようございます。」
そう言っていつものようにへらっと笑って教室に入る。
そして自分の席につくとさっそく頭に花の飾りをつけた派手な髪の色の人ー花澤さんが話しかけてきた。
「キモ市!昨日キレーな女と一緒にいたっスよね!!
だれ?っスか??キモ市の癖に生意気っス!」
「あれは、男鹿のねーちゃんっスよ。別にそんな…」
「ダチのおねーちゃんにまで手出してんスか!
ロリコンのくせに!!
さすがキモ市っスね!」
いや…違います、
と否定するヒマもなくクラスの女子方から罵られる。
人の話は最後まで聞きましょう。って小学校の先生に教わらなかったのか。
彼女たちは決して悪気があるわけではないのだ。
それくらいわかっている。
でも、それでも古市だって人間だ。
辛いものは辛い。
たえられることにも限度があるし。
傷つくものは傷つく。
人の痛みがわかる人間になりましょう。
人の嫌がることはしてはいけません。
それも小学校でならわなかったのか?
いや、ならっていようがいまいがあの人たちは古市が嫌がっているとも傷ついているとも気づいていないのだ。
それは自分にも非があるのかもしれないが…
俺はイヤだとも、やめてほしいとも言ったんだけどな…
その言葉は古市の口から漏れることはなかった。