企画

□最強と最凶(10000hit、チェシャ猫様リク)
1ページ/4ページ

「…はぁ、は、っけほ…はぁ。」

町外れの倉庫。
見るからに悪そうな不良たちが倒れている。
その中心には白い少年が黒い少年に抱き抱えられていた。

「だいぶ落ち着いたみたいだな。古市。」

古市と呼ばれた白い少年は苦しそうに顔を歪めながらもニヤリと笑って見せた。

「俺…を、誰だと思ってんだよ…男鹿。」

「たく、無理すんじゃねぇよ。」

男鹿と呼ばれた黒い少年はため息混じりにそう言った。

「…すまん…」
古市は弱々しくつぶやいた。



数時間前

古市は拉致された。
相手は10人程度。
狙いは男鹿。
ではなく、古市。

拉致られてつれてこられた町外れの倉庫。
手を後ろで縛られて相手に囲まれる。

「…狙いは男鹿か。」
古市が拉致される理由の3分の2は男鹿が狙い。
残りはほぼ男鹿にやられたやつの腹いせ。

ごく稀に…
「お前、キレーな顔してるよなぁ。
男鹿にはもったいねぇって。」
「げへへ、俺らと遊ぼうぜぇ。」

…ごく希に…
体目当てのやつら…。

いくらなんでも、それはちょっとね。
服に手をかけられそうになった瞬間。

「ああ!!」
出口を見て驚く古市。
男鹿か!?そう思い慌てて振り向く不良ども。
その一瞬を古市は見逃さなかった。
不良たちは何が起こったかなどわからなかっただろう。
一瞬にして古市の周りには不良たちが倒れていた。
ぶちっと音がして古市の手に巻かれていたロープが千切れた。

「悪いっスけど、黙って強姦されるほどいい人じゃないんで。
あと手、縛っても俺には意味ないんで。」

そう言って立ち去ろうとしたとき。
「…っ!?ゲホっ!ゲホっゴホ!ケホ…ぁ!…は、はぁ…は!」

古市はとっさの咳そして過呼吸に陥った。
ドサッとその場に膝をつき倒れる。

あぁ、ヤバい。意識が朦朧としてきた。

そのとき。

古市!

そう呼ばれた。

男鹿が膝をついて苦しそうにする古市を見てかけよってきた。
とっさに古市を支え自分の膝に頭をのせてからしばらく。
そして今に至る。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ