企画

□続 無力 4(終)(40000hit、騎虎様リク、「無力」の続編)
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「別れよっか。」


男鹿の真実が欲しい。

俺は自分が傷ついたって構わない。

ただ、真実が欲しいんだ。



お願いだからイヤだなんて言わないで。

俺、だって本当は気づいてるんだから。


「古市…俺は。」



「大丈夫。俺、覚悟なんてずっと昔から出来てたから。
だから、本当のことを言って?」


男鹿の息を飲む声が聞こえる。


「悪い、古市。
俺は…お前にずっと辛い思いをさせてたんだな。」


男鹿は申しわけなさそうな顔をした。

そんな顔はお前らしくない。

俺はね。

そんな顔したお前のことが好きな訳じゃないんだよ。

お前に守られたい訳じゃない。

どう言ったら気づいてもらえるんだろう。



「男鹿ー、聞こえてるー?」

返事をしなくなってしまった男鹿に俺はわざと明るく笑いかける。


「はぁ…。わかったよ。」


男鹿はふー。っとため息をついた。




お前と別れる。



男鹿は一言俺にそう告げた。





「悪い…」

「それは何に対して?
俺に辛い思いさせてたこと?
それとも、愛そうとすらしなかったこと?」


男鹿は黙ってしまう。



「カンチガイしてるみたいだから言うけど、俺別にそんなことどうってことないよ。
だってそれは仕方ないことだし。
…だからさ、次、俺に会うまでには人を愛せるようになっておけよ。」


おそらく俺がお前に会えるのはこれが最後になるだろう。

でももし、もう1度だけ…会えたなら…



「古市?」


俺の異変に気づいたのか男鹿は怪訝な顔をした。


「男鹿。俺、魔界に行くから。」



これで、お別れだよ。男鹿。



今まで、ありがとう。



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