シリーズ
□白薔薇の女王 5
1ページ/2ページ
いつまでも続いてほしかった『あの頃』の時間。
終わってしまった『あの頃』の時間。
君の周りは変わってしまった。
それを俺は望んでいたはずなのに。
その為に俺は…。
『古市!おまっ…どうしたんだよ、その髪!』
『ばっさり切ったんだよ。
俺、もうケンカしねぇから。』
『古市…』
『どう?男鹿。前髪切りすぎな気もするけど…似合うだろ?』
男鹿はお前がそれでいいならって言った。
結局お前は優しいんだよ。
もし、もしも『あのとき』俺があんなこと言わなかったら、もしも男鹿がひきとめていてくれたら。
また違う『いま』があったのかもしれない。
いまさらそんなこと思っても遅いのにな。