シリーズ
□呼ばれぬ名 1
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なぜあなたは思い出さないのだ…。
こんなにも、こんなにも…
あなたが思い出すのを待っているのに。
『やっぱりここか、ソロモン。』
『ああ。今夜は月が綺麗だからな。』
『それはいいけど、お前一応命を狙われてんだから気をつけろよ。』
『そうだな。…でももしもの時はお前が助けてくれんだろ?なぁ、「 」』
『…が…い…おい…おが…男鹿!』
「む!」
古市に呼ばれ目が覚めた。
どうやら授業が終わったらしい。
「やっと起きた。
昼休み、飯いこーぜ?」
古市に誘われいつものように屋上へむかう。
「…なに考えてんだよ?」
屋上で古市に下から覗き込まれはっとした。
「いや…なんか変な夢見た気がしてよ。」
「夢?それってさっき寝てたときのやつ?」
「あー。でも、どんな夢だったか覚えてねーんだよなー。
変だったのは覚えてんだけど…。」
「ふーん。」と古市はさほど興味なさそうに返事をした。
普段ならばもっとくいついてきそうなのにな。
「ほら、早く食おーぜ。
俺腹ヘったよ。」
そしてそう話をそらされた気がしたのは気のせいだろう。