シリーズ
□呼ばれぬ名 3
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「あなたはソロモン。
ソロモンは我らソロモン72柱を率いていて…」
「使役している、だろ。」
シトリーが着てから1週間がたった。
その間にいろいろと思い出したことがある。
俺はソロモンだった。
ソロモンは人だったが悪魔たちと契約し使役して寿命がなくなった。
しかし不死なわけではなく何かしらの出来事がおこりソロモンは死んだ。
しかしソロモンは死んでもまた記憶を持って生き返る。
俺のようになかなか思い出さない可能性もあった。
もしかしたらもう思い出さなかったかもしれないことも…。
ただ、どうしても死んだ日の周辺の出来事が思い出せない。
「俺は、いったいどうやって死んだんだ?」
「…それはわからない。
しかし我らの周りでは暗殺されたのだという噂があるのだ。」
「暗殺された?」
「…ああ。」
疑問は他にもある。
夢に出てくるあいつ…。
あいつもソロモン72柱のやつなら名前を思い出しているはずなのに思い出せない。
古市に相談しようにも古市はこの話を出すとやんわりと話題をそらすのだ。
…古市、俺になにか隠していんのか?
「…私はこれから人と会うやくそくがあるからこれで失礼する。」
シトリーはそう言うと身を翻して俺の部屋の窓から飛び降りた。