神速の風
□壁ドン
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【疾世と壁ドン】
二年生クラスにて
疾世
「ふわぁ〜、眠…」
疾世が欠伸をしているとふと、クラスの女子がやってきた
女子1
「神凪ちゃん、あのね参考までに聞きたいんだけどいい?」
疾世
「うん?どうしたの」
女子2
「壁ドンってどう思う!やっぱり憧れるよね、壁ドンこそまさに女子の夢だよね!」
疾世
「はい?」
女子1
「角度とか距離とかあるじゃん、見つめられる時間とか!神凪ちゃんはどんなのが好みなのかなーって、」
疾世
(壁ドンって何だろ…壁ドン、壁ドン…あ!!アレか!)
聞き慣れない単語に戸惑うも、すぐに思い当たり満面の笑みを向ける
疾世
「なんだ、私だけじゃなかったんだ。壁ドンするのって」
女子1
「え?」
女子2
「するの?されるんじゃなくて」
疾世
「癖でつい、いかにして相手の顔の真横に足をドンって、するかがポイントでしょ。あと威嚇の為に目を逸らさないのも!目を逸らせば負けたも同然だしね、声のトーンも落とさないと舐められちゃうから、最初は気合い入り過ぎちゃうよね」
…
明らかに噛み合っていない会話に、今度は女子達が戸惑う
そこへ…
倉持
「ヒャハハ」
御幸
「やべぇ、腹痛てぇ。はっはっはっ」
同じクラスの2人が爆笑する
倉持
「お前のは、壁ドンじゃなくて足ドンだってーの。ヒャハハ」
御幸
「しかも怒った時に出る癖だろ」
…
疾世の思う壁ドンとは、手ではなく足を顔の真横でドンする事だった
だが、御幸や倉持の反応を見る限り違うらしい
未だに爆笑している2人に囁かな怒りを覚えながらも、とりあえず女子達に聞いてみる
疾世
「壁ドンって、足をドンってするんじゃないの?」
女子1
「男の子が女の子の逃げ道を防ぐ為に、手を壁にドンってするやつだよ、知らない?」
疾世
「何それ!!逃げ道を防ぐなんて、男のする事!」
…
御幸
「駄目だ全然分かってねー、はっはっはっ」
倉持
「ヒャハ、女の欠片もなさすぎだろ、」
ープチンー
疾世の何かが切れる
疾世
「ちょっと待っててね。害虫始末してくるから」
それだけ言うと疾世は、女子達を残し御幸と倉持の所へ行く
疾世
「黙れっ!腹黒メガネとトサカ頭!!」
倉持
「ぐは、」
御幸
「がは、」
華麗に回し蹴りを決める疾世を見て、女子達は思った
女子1
(無縁の話しだったかな…)
女子2
(御幸君達もからかわなきゃいいのに)
女子1&2
(神凪ちゃんって、ちょっと残念な子だな)