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□二章
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やっとのおもいで街まで降りてきた


さっきまで監視役員にいろいろ質問をされたり、疑いの目で見られたりして大変だった

きっと夏魅さんがフォローしてくれなかったら僕は無事にここまでこれなかっただろう

監視役員は2人いて、どちらともお面を付けていたから怖かった

僕は武器を所持していなかったし、恐怖で泣き出しそうだったためすぐに釈放されたのが幸いだ


街までは一本道だったらか迷わずに街に着いた

街はヨーロッパ周辺を彷彿させる街並みだ

夕方なのか少しずつ夜の帷が街の色を変えて行く
僕は急いで本屋さんを探すことにした

いくら街中でも野宿は危険だと思うし、日が沈むにつれ肌寒くなっていく


やっとのおもいで見つけた本屋さんはなんと、閉店時間を過ぎで閉まっていた

寒い、寒すぎる
冬並みに寒い
どうしようかと借りたまま着ていたロングコートを擦りながらベンチに座って考えていると

「おやおや、ぼうやどうしたんだい、こんなところで寒かろうに」

僕が顔を上げると、そこには優しそうなおばぁさんがいた

「えっと、あの、この街に来たばかりで、泊まる所が無くて」

僕は寒さで震えながらおばぁさんに事情を少しだけ説明すると、おばぁさんはそれならば家に泊めてくれるという


意外と差しのべてくれる手は何処にでもあって
だけど、その手に気付けるのはほんの一握りだけなんだ

だから、僕はこの差しのべられた手に自分の手と声をのせた

「有難うございます、お邪魔させていただきます」



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