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□三章
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僕がこの世界に来てから、3日がたった
街の地図を見ながらではありるが、何処にどんな店があるかは把握出来た
今日も、街の地図を見ながら街の散策予定だった
しかし、何だか街の雰囲気がピリピリしている気がする
僕は怖くなって孤児院に戻ろうと、身を翻したとき、後ろの方で街の入り口の門が開かれた
ギィーッ
それだけで街の音が聞こえなくなる
街が一気に静寂に包まれた
そんななか、1番最初に街に入って来たのは
黒のロングコートを靡かせた
死期さんだった
死期さんが街に入って来た瞬間街のなかにざわめきが戻ってきた
「今回も、」
「ああ、やはりな」
「死神が」
「恐ろしい」
いろんな声が聴こえたが、皆死期さんへと視線を向けていた
その瞳は、侮蔑や畏怖、憎悪、嫌悪が詰め込まれた色をしていた
そんななかを死期さんは凛と澄ました様に歩いていく
そして、僕は大通りを歩いてくる死期さんと目があった
僕は床に縫い付けられかの様に動け無かった
死期さんがこちらの方に歩いてくる
僕と死期さんの距離が近づいてゆく
目があったまま
5
4
3
2
1
ぱちん
僕の横を通しすぎた死期さんと僕の視線が外れた
そのまま死期さんは街の大通りを進んでゆく
僕はまだ立ち尽くしたままだった
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