他小説
□妄想という名の願望
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きり丸はゆっくりと私を押し倒して口付けする。
いやらしい水音を立てながら舌同士を絡ませて舌で歯茎をなぞる。
「ん、っは……きり丸っ」
きり丸が深く深く舌を入れて私の顔をじっと覗き見る度、私の心臓はドクっと跳ね破裂しそうになる。
「や…め……、」
そう言いながらも気持ちが良いと思いもっとして欲しいと思ってしまう私は変態なのか。
「土井先生。感じてるんすか?」
「う、っ…あ……!」
ビクンッ!!
脱がされた隙間からモノを握られつい喘ぎ声を漏らしてしまう。
ニヤニヤしながらきり丸は私の様子を伺い何度も何度も攻め立てる。
「立ってますよ?」
否定しようのない事実に身体中が熱くなる。
そんな私を見てきり丸は嬉しそうに黒い笑みを浮かべた。
「土井先生僕なんかに感じちゃっていいんすかぁ?」
「うっ…は、ん…ああっ…///」
握っていた手を上下に揺するきり丸。熱が芯に集中する。
「きり、丸っ…やめなさいッ」
「やめちゃっていいんすか?」
そう言って上下に動かしていた手を止めて私の目を見つめるきり丸。
「う…っはッ……んッ」
動きをやめたにも関わらず私の芯は膨張したまま熱を帯びている。
きり丸……ッ
身体がきり丸を求めている。
―――――――――――
「って…
私は一体何を書いているんだーーーーッ!!!!!」
そういきなり叫ぶと同時に書いていたノートを閉じる半助。
そう、今までのはすべて彼が書いていた妄想、即ち妄想小説に過ぎない。
現実ではない。
半助は私は何をやっているんだと項垂れて机に突っ伏した。
「はぁ……きり丸………。」
そして愛しい相手を思う。
小説の中の出来事にも関わらず、彼の身体は熱を放っていて芯も熱くなっていた。
彼は毎日の日課のようにあの妄想小説、もとい妄想日記を繰り返していた。暇を見付けては書き、暇を見付けては書く。そんな日常をただひたすら繰り返していた。
気が付けばきり丸。気が付けばきり丸。
「……私は重症だな……」
ガラッ……
「土井先生ー?」
「ぅわぁああああ!!!!!!」
突然現れたきり丸に驚き、全身で頑張ってノートを隠す半助。
「どうしたんすか、そんなに驚くことないじゃないすか…」
「あ、いや、すまん。あははははは…」
ひきつるもなんとか笑顔で返す半助。そんな彼にきり丸は首を傾げた。
「あ、明日バイト手伝って下さいね。よろしくお願いしまーっす!」
「はぁあ!??」
笑顔で去っていくきり丸。
そんな彼を見送りながらよくもまぁ今まで見付かっていないなと後ろにあるノートをチラ見して溜め息を漏らす。
ここは職員室なのだから本当は何時バレても可笑しくはない。山田先生と二人だけどそれでもバレる確率は高い。
半助はバレなかった事にホッとし、ノートを机の中にしまった。
「…土井先生」