他小説
□自責
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「あ!じゃあ土井先生も招待したらどうかな?」
………はぁああぁあああぁああああぁあぁあぁあああ!?!?!?!??
「ちょ!おい、何言って………」
「「あ、良いねー!」」
カラクリコンビハモるなぁあああっ!!
何言ってんだよ!そんなことしたら俺に被害が及ぶだけじゃねぇか!!!
ありえねぇ!!!!
庄左ヱ門の奴〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
俺は提案した庄左ヱ門をおもいっきり睨み付けた。
あああ……本当ついてない。
さっきの俺のガッツポーズ返せ………。
―――カーンカンカンカン!
「ほら、席に着け〜!」
鐘と共に教室に入って来た土井先生の姿を見て、俺は顔をひきつらせた。
なんで俺こんなに悩んでんだ……?
てかなんで俺が悩まなくちゃいけないんだよ。
土井先生も俺が好きなら悩ませない努力をしろよなっ!!!
「――り丸ー」
本当に好きなら普通好きな子を悩ませるとかしなくないか?
本人に悩ませてる自覚がないとか……
「―い、――り丸…」
ぜってぇそうだ……
「おい、きり丸っ!!!!!!」
えっ……
俺は驚いて目を見開いた。
「な、なんすか……?」
「なんすかじゃない!さっきから呼んでいるだろう!!出席だ出席!!名前を呼ばれたらちゃんと返事をしろっ!!!」
「あ、はい…すみません」
名前、呼ばれてたのか……
って…………
誰のせいでこうなってんだぁ!!!!
俺は目の前で一年は組の生徒の名前を呼ぶ先生を睨み付けた。
なんで俺が怒られなきゃならないんだよ…。
そりゃ聞いてなかった俺が悪いけどさ?
っていうか本当誰だよ……。
何時ものデレデレしてくる土井先生を思い浮かべて俺はまた顔を引きつらせる。
……ほんとに同じ人物かよ………。
ほんとは誰か違う人と入れ換わってるんじゃねぇ?
…なんて下らないこと考えてる自分が嫌だ。
現実から目を背けたいのかよ、俺。
「あ!そうだ土井先生!!夏休み、兵太夫が作ったカラクリ屋敷へ皆行くので、土井先生も是非来て下さい!」
うげぇっ…
庄左ヱ門……忘れてくれてたら良かったのに…。
「カラクリ屋敷?」
先生は目を丸くして首を傾げる。
そんな先生に、今度は兵太夫が目を輝かせて言った。
「はい!僕が作りあげた、カラクリ屋敷です!!!」
先生はそうかとニコリと笑ったかと思えば、また首を傾げる。
「きり丸も行くのか?」
……って はぁっ!?!?!??
ちょ!この人もはや隠す気無いだろっ!!!!!!!
俺が行かなかったら行かない気か、アンタはっ!!!!!
俺がげんなりしていると、乱太郎は笑顔で
「タダに釣られて行くそうで〜す!」
と言った。
「そうか。それなら納得だなぁ。……よし、私も行ってみるとするかな。」
「「「やった〜〜〜〜〜!!!!!」」」
うん、もう良いや。………俺夏休みもやっぱ地獄行き確定だ。