異世界移住

□第二話 戦闘有り、シリアス無し
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冬夜たちがいる世界のどこかにアスラクラインの一巡目の世界の志津間哀音の姿をした少女が居ました。
少女の名はサハナ。冬夜たちを自分の世界に転移させた女神です。

「うーん・・・やっぱり確認はしとくべきだったかなー。でも、アニメを見る時間を十万人のステータスの確認なんかに割くなんて私には出来ない!」

明らかに職務怠慢ですね。そんな残念な女神の手には一枚の紙が有りました。
その紙には転移させた人のステータスが記されていました。その中に時風冬夜の名前がありました。
冬夜のステータスを一言で説明するのなら『全てのステータスがカンストしているレベル1のキャラ』ですね。
レベルが1なのにステータスが9で埋めつくされているなんて怖すぎです。まあ、裏を返せばこれ以上は強くなることは無いわけですね。

「しかも限界突破できるようになってるからレベルが上がったらもっと強くなっちゃうんだよね・・・」

非常に恐ろしいことをサラリと言ってくれやがりましたよこの女神は。

「でも今さら変更なんてしたら私の威厳とかが無くなっちゃうよー」

そんな台詞が言えるのはもっと真面目に仕事を頑張ってきた人だけです。

「・・・・・・・・・・・・・・・まあいっか。面白そうだし♪」

・・・・・・なんだかとても疲れてしまいました。




さて。それでは前回の続きです。冬夜がアオアシラと遭遇したところでしたね。
アオアシラを相手にしている冬夜の顔には余裕が浮かんでいました。

「(よく分からんがコイツに苦戦する気が全くしねー。それに相棒(ビームサイス)の使い方も頭の中に入ってる。マジで負ける気がしねーぜ!)」

まあそれもそうですね。今の冬夜のステータスならそんな反応でも不思議ではないですよね。

アオアシラが雄叫びを上げながら立ち上がって右腕を振りかぶり―――
その瞬間アオアシラの右腕が地面に落ちました。

「グオオオオー!!」

痛みによって腕が切られたことに気付いたアオアシラは痛みによる咆哮を上げました。切り口からは血が吹き出していました。
冬夜はアオアシラの背後に居ました。どうやら腕を振り上げた瞬間にすれ違いざまに切り落としたようですね。

「・・・・・・・・・・・・・・・アハ。アハハハ。アハハハハハハハハハハハハハハハハ」

・・・・・・怖すぎです。暴走したヤンデレのように狂ったように笑う冬夜はホラー映画に出て来ていても不思議ではないような怖さを出していました。
冬夜はゆっくりと振り返ってアオアシラを見ます。痛みに苦しんでいたアオアシラでしたが、冬夜に見られたとたんにアオアシラは本能的な恐怖に支配されました。アオアシラは必死に逃げようとします。
その時、アオアシラの頭上に三割ほど減少している緑色のバーがあるのに冬夜は気付きました。

「あれがHPゲージかー。知識では知ってたけど、まるでゲームみたいだなぁ」
そう言った時にはアオアシラの左腕と両足は切り落とされており、HPは一割だけしか残されていませんでした。

「それじゃあ、そろそろ終わりにしよっか♪」

無邪気な子供のような声で残酷なことを冬夜は言いました。
アオアシラは自分と冬夜の圧倒的な力の差に何かをしても無駄であるという事実に思考が支配されていました。

「じゃあね♪」

笑顔でビームサイスを降り下ろしアオアシラのHPを全損させました。

HPがなくなったアオアシラはポリゴンとなり消滅していきました。

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