キミは、太陽


□1.船が、見えた
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「…あの船は…」
島一番の高台にある、教会のてっぺんにある十字架にしがみついて、少女は望遠鏡を片手に水平線を見ていた。

はるか彼方に見えるその船。

「きっと、きっと、そうだ!!
やっと、会える」

そう叫んだその瞬間。
少女の体が、空気に混ざる。

『突風』

周りの木々が揺れ、緑の葉が落ちる。
近くにいた人々も、突然のその強風に、体を小さくした。

十字架にしがみついていた少女の姿は、もう無かった。
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