キミは、太陽
□6.抱える想い
1ページ/9ページ
甲板に、末っ子三人は寝転がっていた。
うつ伏せで本を読んでいるすずを真ん中に、ウィルはその本を覗きこんで、エースはすずの背中を枕にしている。
「あの三人、よく一緒にいるな。
歳もちけーしな」
「すずは、エースだと『すきま風』で逃げないよぃ」
笑顔のサッチと対象に、険しい顔でマルコは話す。
「…ところで、マルコ。
例のあの話はどうする気だ?」
「なんだよぃ?」
「すずちゃんの、なんでもするってやつだ!」
エースが食事をとらないから何とかしてほしい。
なんでもするから。
すずは、そうマルコに訴えてきたのだ。
「…取って食う気じゃねぇよな」
「そんなことしねぇよぃ」
そうできたら、どんなにいいか。
「島が見えたぞー!!」
見張りが叫ぶのを聞いて、すずは、本から顔をあげた。
「エース、起きて!
島が見えたって」
「起きたくねぇ」
「わたしは島が見たいの!」
体を無理矢理ずらして、エースの枕から解放される。
風になって逃げればいいのに、何故だかできない。