キミは、太陽


□6.抱える想い
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甲板に、末っ子三人は寝転がっていた。
うつ伏せで本を読んでいるすずを真ん中に、ウィルはその本を覗きこんで、エースはすずの背中を枕にしている。

「あの三人、よく一緒にいるな。
歳もちけーしな」
「すずは、エースだと『すきま風』で逃げないよぃ」

笑顔のサッチと対象に、険しい顔でマルコは話す。

「…ところで、マルコ。
例のあの話はどうする気だ?」
「なんだよぃ?」
「すずちゃんの、なんでもするってやつだ!」

エースが食事をとらないから何とかしてほしい。
なんでもするから。
すずは、そうマルコに訴えてきたのだ。

「…取って食う気じゃねぇよな」
「そんなことしねぇよぃ」

そうできたら、どんなにいいか。




「島が見えたぞー!!」

見張りが叫ぶのを聞いて、すずは、本から顔をあげた。

「エース、起きて!
島が見えたって」
「起きたくねぇ」
「わたしは島が見たいの!」

体を無理矢理ずらして、エースの枕から解放される。
風になって逃げればいいのに、何故だかできない。
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