キミは、太陽


□10.そばにいて
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冷たい空気をきって、
ストライカーを走らせる。
泣きそうな顔の、
すずが目から離れない。
笑ってほしい。

「エース」

呼んでくれるなら、
絶対に笑顔がいいんだ。
とびきり、かわいいから。

「すず、
どこにいる??」

白い雪に包まれたその島を、
エースは目指した。





「逢いたいな、エース」

トラファルガー・ローから聞いた女の子のことが、頭から離れない。
いつか、帰る日がくる。
でもそれは、すずにとって。

「死んじゃう日なのかな」

ひとりになったら急に、
怖くなった。
涙がこぼれそうになる。
そんな自分に、マルコの言葉が追い討ちをかけるんだ。

『家族を守れない』

雪の中で、
涙が止まらなくなった。
どうしよう。
ただ、逢いたい。
その帰る日が、すぐそこだとしたら、
今すぐキミを抱き締めたいよ。
抱き締められたいよ。








帰りたくない。
死にたくないよ。

「逢いたいよぅ、エース」











「だったら、ひとりで行くなよ。
すず」
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