キミは、太陽


□12.二番隊、隊長ふたり
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仰々しいにも、程がある。
白ひげ海賊団、モビー・ディック号を囲んでいるのは、海軍。

「監視船、だねぃ」

マルコがその並ぶ軍艦を見ながら言う。
その数は、軽く十はこえる。
風にのってくる殺気に、
すずは顔をしかめていた。






「すず、行くぞ!」
「エース、もっと周りを見てから」
「うっせぇ、行くぞ!
マルコ!!二番隊に任せろ!!」

抱きかかえられて、そのままストライカーで、海軍の軍艦へと駆ける、ふたり。

二番隊、隊長。
火拳のエースと、風のすず。

「お前らも、続いてこい!」

隊員たちに叫ぶ、エース。

「エース!
もっと考えないと」
「何をだよ?
すず、飛ぶぞ!!」

ストライカーを蹴りあげて、飛び上がったエースの肩につかまって、すずも空へ舞う。

空中でエースは拳に炎を宿す。
すずもまた、風を小さな手に纏わせる。

この風は、キミの炎を強くする。
二人の拳が放たれた。

『火拳』
『天つ風』

『「火風」』

炎を風が包み込み、炎は風を呑み込まんと猛る。
抱き合う二人のように。
それは軍艦をたやすく飲み込んだ。
軍艦の半分以上が、その大きな火の塊に形を無くす。

「エース、肩、かりる!」

まだ空を舞う二人。
すずは、エースの肩に足をかけ、更に高く飛ぶ。
矢を三本、手に取り、エースに叫んだ。

「火、ちょうだい!」

『火銃』

炎の銃弾が、その矢を燃え上がらせる。
エースはそのまま、ストライカーへと降りていった。

『神弓 参爪』

これは、ただの火矢ではない。
覇気をこめ、風をまとわせる。
エースの炎は、決して消えない。

軍艦の姿をしっかりととらえ、
三本の矢を射る。

『紅蓮』

猛る炎の一閃が三本、軍艦を貫通した。
すさまじい音とともに、
火薬にでも燃えうつったのか、
炎をあげて沈んでいく。
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