キミは、太陽


□14.赤髪の女
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ウィルが、
すずの誕生日がもうすぐだって言うから、
プレゼントは何がいいか聞いたんだ。

何もいらないよって、
エースがそこにいればいいよって、
とびきり笑って抱きついてくる。

でも好きな女の誕生日だし、
俺の女になってから、
初めての誕生日だし。

何かしてやりたくて、
行きたいところとかでもいいって、
聞き直した。







うーんと首をかしげて、
ハッとした顔をしたあと、
すずの口から出た欲しいプレゼントは、
予想していなかったもので、
俺は、頭を抱えた。









「赤髪に会いたい!」
「はぁっ?」
「やっぱりダメ?」

上目使いでエースの顔を見るすず。
背の高いエースの顔を見るのに、
すずにとっては、ごく自然なこと。
だが、だいすきな人の上目使いは、
一日に何度もエースの頬を染める。

その目で、声で、おねだりなんかされたら。

「わかった。会わせてやるよ、すず」

許すことしかできない。

「ほんと?ありがとう、エース!」

だって、とびきりかわいい笑顔で、
抱きついてくるし。
……すっげー、好きだし。
すず、ずりぃ。
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