キミは、太陽


□1.船が、見えた
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『つむじ風』
凛とした声が響き、果物でいっぱいになった籠をもつ少年の前に、小さな竜巻が降りてきた。

そしてその中心に、先程の少女が現れた。

「ウィルくん!白ひげ海賊団の船が見える!」

薄い茶色の長い髪をなびかせて、その頬は朱色に染まっている。
そして嬉しそうに、少年に話しかけた。
ウィルと呼ばれた少年は、籠を店先に置き、少女に向き合う。

「すず、すぐに行くのか?」
困ったような笑顔を、ウィルはした。

その笑顔に、少女はーーすずは、少しだけ、息を飲む。
だが、顔を背けて、海を見つめながら話し始めた。

「ずっと、待っていたから…」
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