キミは、太陽
□3.花吹雪
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ニライカナイの港に着くと、妹になった(らしい)小娘の姿が目についた。
「男がいるんじゃねぇか」
「じゃあなんで、家族になりたいなんて、乗り込んでくるんだよ」
同い年くらいの男についていく小娘に、弟たちがざわめく。
「…いってくるよぃ」
一言だけ残して、青い鳥が羽ばたいて行った。
「あんた、あれだろ??
すずがいっつも話していたんだ。
えーっと…」
店先で果物を並べながら、ウィルの母親が思い出そうと首をかしげている。
『マルコ隊長!!』
すると周りにいた子供たちが、突然、自分の名を呼んだ。
「そうそれ、不死鳥マルコ!」
すっきりした顔をして、ウィルの母親は店の奥へと入っていく。
恐れられることは多いが、こんな風に親しみを込められて呼ばれるのは初めてだった。
まして、子供に。
「すずおねーちゃんが、話してくれたとおりだね」
「青いキラキラ、きれーい」
「もう一回してー」
わらわらと、子供たちがマルコにまとわりつく。
こんなこと初めてだ。
「どういうことだよぃ!」