キミは、太陽


□3.花吹雪
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くくっと、スザクはその日のことを思い出して笑う。

「白ひげ海賊団に入りたい。家族を守れる力が欲しい」

見るからに、守られる立場であろう、線の細い少女。
スザクの店の前で、一週間座り込んだすず。

その時を思い出して、スザクは真剣な顔をマルコに向ける。

ビリッと、脳を揺さぶられた。

ーーーー覇気。

「覇気を教えて欲しい。
自分が弱いのはよく分かっている。

これから出逢えるかも分からない。

でもそれでも、どうか、私に家族を守れる力を与えて欲しい」

あの子は、そう言ってきた。

「疑う気持ちも、よく分かるよ。
でも、あの子はだいじょうぶ」

子供たちが、またマルコに話しかけてくる。

「おねーちゃんは、白ひげ海賊団の話ばっかりなんだよ」
「親父さんの、むすめになるんだって」
「マルコ隊長に会えるかなって」
「ほんとは怖くないんだよ。みんな、家族にやさしいんだよって、話してた」

ウィルが、口を開く。
「暇さえあれば、海を見てました。
水平線を、ずっと。
すずは、馬鹿みたいに、海賊になりたいって……」

恋しいこの子は、いつか、離れていってしまう。
この、強い決意。
好きなら、恋しいなら、背中を押してあげなきゃならない。

……それが、俺の片思い。

すずが、花びらとともにここに来てから、分かっていた。
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