キミは、太陽
□3.花吹雪
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「……でも、さみしくなっちゃうねぇ、お母さん」
「ほんとに。ウィルのお嫁さんになってほしかったわ」
「か、かーちゃん!」
ウィルの顔が真っ赤になる。
息子がすずに恋してるのなんて、とっくの昔に分かっていた。
「マルコ、あの子はただの小娘じゃない。充分すぎるくらい、強くしといた」
「……わかったよぃ。ログがたまりしだい、発つと伝えてくれ」
青い炎が鳥のかたちとなり、羽ばたいていく。
「ほんとに、お別れがきたんだね」
その青い鳥を見上げながら、ウィルの母親が呟いた。
「マルコーー!!どうだった??すずちゃん!」
「サッチ……」
船に戻ると、仲間のサッチが早速出迎えた。
「笑顔が超可愛かったよなぁ。あんなかわいい妹ができるなんて、俺、うれしいぜぇ。…で、あの男はなんだったの?!」
マルコにつかみかかってくる。
「面倒をみてやってるって、だけだったよぃ」
「まじか!安心したぜぃ!
よーし、お前らぁ、すずちゃんの歓迎の準備だぁ!!」
『オオオォ!!!』
かわいい妹に、すでに兄たちはメロメロのようだ。
「お前らの能天気さを、ちょっとわけてほしいよぃ…」