キミは、太陽
□4.スペード海賊団
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もうすぐ、雨の海域は抜けると、マルコが言っていた。
太陽が、恋しい。
「……エース」
オレンジ色のテンガロンハット。
そばかす。
「死なせないよ。
いっしょに、親父さんを王にしよう」
誰にも聞かれないように、呟いた。
「すず、乾いたかよぃ?」
「隊長!この部屋にある分はとりあえず」
洗濯物を取り込みながら、やって来たマルコに返事をする。
少し高い位置にあるものを、つま先立ちで取ろうとしていると…
「手伝うよぃ。
能力使い続けて、疲れただろよぃ」
ひょいと、マルコが取ってくれた。
「ありがとうございます」
すずは、兄たちを骨抜きにする笑顔をマルコに向ける。
「……よぃ」
自分の頬が紅くなるのが分かってしまう。
とにかくかわいい。
「すず、でかい親父の名を背負ったって本当かよぃ?」
「はい、親父さんとおそろいにしてもらいました。見せましょうか??」
服を脱ごうとするすず。
「バッ……」
「冗談です」
またとびきりの笑顔を向ける。
マルコは、すずの頭をわしゃわしゃとなでた。
「……冗談でもするなよぃ」
襲いたい衝動にかられる。