キミは、太陽


□8.流星群
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砕氷船。
氷の魔女の船。
その船は、青雉の氷を砕く。

上空ですずは、その船をねらい、弓をかまえた。
揺るぎない心。
それは、すずの何よりの力。

『神弓 参爪』

三本の矢が、射られる。
すずの口角が、ニィっとあがる。

『五連』

間髪いれずに、凄まじい勢いで矢が放たれた。
倒れるマスト。
穴の開く甲板。
砕氷船の船員が、慌てで逃げるのが見える。


その中に、船長らしい帽子と、銀糸の髪を見つけた。

エースのテンガロンが飛ばないようにギュッと頭に抑えると、すずは、クルクルとその銀糸目掛けて回転する。

「マルコ隊長、直伝!
かかと落とし!!」

武装色の覇気をこめて、その銀糸の髪の女の肩を、狙う。

ぐぅっと、にぶい悲鳴が聞こえた。

その途端に、すずの頭を狙って、船員たちが銃弾を放つ。
凛とした、すずの声が響いた。

「降伏しなさい。
氷の魔女」

弾道は、すずをすり抜ける。
すずは、砕氷船の船首に立ち、矢をかまえた。

「死にたいなら、別です」

圧倒的な気迫。
さきほどの矢の威力を見たのもあり、
氷の魔女の船員たちは、顔が青くなった。

揺るぎない、心。
すずのその心には、誰も敵わない。

「すず、上出来すぎるよぃ」

マルコが降り立つ。
すずの頭をくしゃっと撫でると、ホワイティベイの顔を見る。
目から、青い炎が揺らめく。
船員たちの顔から、血の気がひいた。

「で、どうするよぃ?」

かいぞく、しろひげ、おによりこわい。
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