キミは、太陽


□2014 エース誕 「たからばこ」〈1〉
2ページ/7ページ

年の瀬が押し迫ったある晴れた日、
昼寝でもしようと思ったエースは、
すずを探していた。
柔くて心地よい膝枕がないと、
昼寝にならないからだ。


この頃、ちゃんと傍にいないと、
すずは何処かにいなくなる。
エースはそれを、凄く気にしていた。

今も、白ひげに呼ばれたまま、
すずはいなくなっていた。

「親父の部屋にも、書庫にもいねぇし、
何処に行ってんだ」

キョロキョロと、モビーの船内を、
エースはすずの姿を求めて探す。

ふと気づくと、いない。

それは、
いつも寄り添うように二人でいるだけに、
エースを無性に不安にさせていた。
探さなくても、そこにいて。
恋しいぬくもりは、すぐ隣。

でも、今は、いない。

「…クソッ」

それだけなのに。
今、いないだけなのに。
どうしてこんなに、胸がざわつくのがか。
エースは頭をクシャッと掻き、
ため息をつく。
そのとき、にゅっと、
エースの腰に手が伸びてきた。

「みーつけた」

抱きついてきた細い腕の感触。
甘く香る、だいすきな声。

やっと、見付けた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ