キミは、太陽


□2014 エース誕 「たからばこ」〈1〉
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振り返れば、自分を見上げている、すず。
笑顔が、とびきり可愛い。

「すっげー、探した」
「ごめんね。
船医さんにつかまっちゃってたの」
「船医?」
「傷の経過、診せろって」

自分の脇腹を、
すずはそっとおさえた。
エースは、顔をしかめる。

「今日も、問題なしって言われたよ」
「ても痕は、消えねえんだろ?」
「……そうだけど」

困ったような顔をするすずの頭を、
エースは撫でた。

「もう、俺から離れんな。
そんな怪我、させねぇから。
すず」
「はぁい。
エースも、ティーチを追いかけちゃ、
だめだよ」
「…納得いかねぇ」
「だめだよ。…お昼寝行こうよ。
すっごくいいお天気だから」

自然と、指が絡んで、手をつなぐ。
ここに、エースがいなくなる未来は、無い。





鯨の顔の上で、
エースに膝枕をしているすずの背を、
マルコとサッチは煙草を吸いながら、
ボーッと見ていた。

「あー…、思ったより骨が折れるねぃ」
「ちょっと離れただけで、
すず、知らねぇか?だもんな」

やれやれと、サッチは肩を竦める。

「で、順調なのかぃ?」
「誰が教えてると思ってんだ。
四番隊の、隊長さまだぜ」
「だから、心配なんだよぃ」
「ひでぇな、マルコ!
バッチリだから、安心しろよっ」

マルコの背を叩くと、
サッチは豪快に笑った。
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