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□thrteen 波乱編 力を貸して
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「ハハッ...覚悟... ...?じゃあ逆に訊くけど...君たちは僕に挑むことがどういうことか...覚悟して来ているんだよね...?」
一人と大人数。明らかに不利な状況。しかし、タブーは余裕の笑みを浮かべている。
『(あいつ...どれだけの力があるんだ...)』
一度身を持って経験しているとはいえ、それは三百年も昔の話。
タブーの力がどれだけのモノなのか...マスターもクレイジーもそれがわからなくて迂闊に手を出せないのだろう。
すると突然マスターとクレイジーが闘うための構えをとった。
「アハッ... ...遊んでくれるの...?」
顔は笑っている...なのに急に低くなったタブーの声にこの部屋の温度も低くなったような気がした。
『(何があったんだ...)ん?』
今の状況をいまいち理解していないメテイの体を縛っていたロープが外れた。
後ろを振り返ると外したロープを持ったゼニガメとフシギソウ、冷静に三人のことを見つめるリザードンが立っていた。
『あっお前た...』
「しー。メテイさん、とりあえず移動しましょう」
声を出そうしてゼニガメに口を塞がれたメテイはゼニガメの言う通り静かに立ち上がりタブーの死角になる壁の方へ移動した。
『(私はまた...見ているだけしか出来ないのか...?)』
顔色が悪くなってゆくメテイにフシギソウとゼニガメは気付いた。
リザードンは今もタブーとマスター、クレイジーの三人を見つめている。
「...メテイ嬢」
「どうか...しましたか...?」
『い、いや...』
何もない、とメテイが言おうとした時、
「何をしているんだ!!」
見えていないはずのタブーがこちらへ手から波動の様なものを出し飛ばしてきた。
『うあっ...!』
間一髪のところでリザードンに抱えられメテイは当たらずに済んだ。
しかし、メテイを心配していて反応が遅れたゼニガメとフシギソウは波動をモロにくらい床へ倒れ込んだ。
『ゼニガメ、フシギソウ!』
「...メテイに手を貸すからいけないんだよ」
『っ...貴様!!!』
何の感情も籠っていない目で倒れたゼニガメとフシギソウを見下すタブーに何かが切れたようにメテイは走り寄った。
「何?そんなクズの為に闘うの?」
『この姿に戻ったのはついさっきのこととは言え数日共に暮らし闘ってきた仲間を...ッ貴様はクズと侮辱し!』
「メテイっ!」
マスターが叫ぶと同時に部屋に鈍い音が響いた。
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