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□fourteen 波乱編 許さない
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「メテイっ!!」

先程突然目の前からメテイとタブーの姿が消えマスター達は驚きながらも慌ててここに来る際に活用したマスター開発の発信器を再び起動させメテイの居場所を突き止め駆け付けた。タブーの波動により倒れていたゼニガメ、フシギソウは同じポケモンであるリザードンとピカチュウに任せてある。

駆け付け重い扉を開いた彼らは目の前の光景に動きを止めた。

「アハ、アハハハハハハッ!楽しいねェ!」

『これは、お遊びでは、ない!!』

背中の羽を七色に光らせながら空中を飛び回るタブーをメテイが剣を振り回し追いかける、メテイの黄と翠色の瞳に本人の覚悟の炎が燃えていてマスター達は助けに行こうにもその場に立ち続けるしか出来なかった。

「...スゲ...」

「ハハッ...ハ...あーあ...」

じっと二人を見ていたリンクがボソリと小さく言うとタブーの動きが止まった。
動きが止まるとタブーは今までの表情を崩し、オモチャに飽きた子供の様な顔になる。
タブーが止まったことでメテイも反射的に動きを止めた。

「...あ〜、せっかく二人っきりだったのにお邪魔虫が入っちゃったね」

空中で目を閉じ肩を竦めたタブーにメテイが今だ、と走り近付き跳び剣を振りかざすーーが、

「メテイ...いくらお友達が見てるからって、おいたが過ぎるんじゃないかい...?」

『あ、ッ...!』

「悪い子には...オシオキ、しないとネ」

お仕置きと言いながらタブーはメテイの剣を持っていた腕を捻りあげ彼女の細い首を片手で締める。
ずっと黙って立ち続けていたマスター達もかなり危ない状況に扉の方からステージへ駆け寄る。

「メテイ!助けるから!絶対に助けてあげるからね!」

「タブー、その手を離してもらおうか」

マスターとクレイジーが指を銃の形にしタブーの背中へ向ける。
指先には小さな光の塊が出来ていてそれはジワジワと大きくなる。
その光の気配をタブーは気付いているはずだが無視してメテイの首を締め続ける。
メテイも最初は抵抗していたが流石に限界が近いのか脚の力がだんだんと弱くなりただぶら下がっているだけの状態になってきた。
ファイター達はこの様な状況にどうしていいかがわからずただ見守ることしかできない。

「タブー!」

『マ、ズダー...クレッイ、』

「っ、タブー!!!!」

マスターが何度もタブーの名を呼んだ。
すると、「...まったく、五月蝿いな」
タブーは手から力を抜きメテイの首を解放した。

メテイの身体はタブーの真下のステージに強く打ち付けられ一気に入ってきた酸素に大きく咳き込む。

クレイジーが目で前にいたリンクとアイクに指示を送ると二人はクレイジーの指示に頷きステージに飛び乗るとメテイを抱えて元の場所へ戻った。

「はい、これで良いんでしょ?」

タブーはマスターとクレイジーを見下ろしながら手を広げる。
指をばらばらに動かしているその飄々とした態度に若干苛つきながらも二人は照準をタブーから離さない。マスターとクレイジーは相手の一挙一動を見逃さないよう慎重にタブーを見ながら指先に力を籠めて行く。
不意にタブーが頭だけを動かし扉の方を向いた。その弾みにマスターの力の光がタブーへ跳んでいった。パン、とタブーの手へ音を出して当たるだけで終わり、それは何の効果も無かった。
それはタブーが一時的に手の部分にだけ波動の膜を出したことでなったことだと理解したと同時に今は何をやっても効かないということをマスターとクレイジーは一瞬で理解した。


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