ゼルダの伝説 時のオカリナ ソウル・リベレイター
□第7章
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「えっ!?」
部屋に戻るなりデッドがすっとんきょうな声を上げた。アルマが松明30本をつき出す。デッドはシモンが松明を集めてくるとは思ってなかったらしい。明らかに動揺している。デッドは少しシモンを甘く見ているようだ。
「さあきっちり30本持ってきたわ。早く洞窟に行きましょう」
「ちょ、ちょっと待つゴロ。数を…」
デッドがゆっくり数を数える。隣でアルマが「数えても無駄なのに…」と呟いた。レオルドの仕事は一級品で、数を間違えるなどよっぽどのことがない限りあり得ない。シモンはそれをよく知っていた。だから数えるのは単なる時間の浪費だ。
30…とデッドの小さな声は震えてた。30本狂いなく揃えられた松明を前にしてデッドは青草より青ざめていた。
「観念なさい。いくら数えても無駄よ」
警察が犯人を追い詰めたみたいだ。デッドは何か言い訳してるがアルマはそれを蹴飛ばす。アルマにかかればデッドの意見など路傍の石より価値がない。
しかしとうとうアルマの怒りが沸点に達した。
「いい加減にしなさい!!この臆病者!!自分のいったことにくらいセキニン持ちなさいよ!!さあ行くわよ!!」
「いーやーゴーロー」
デッドはアルマに押し出されるように強制連行された。デッドの叫び声は高い天井にこだました。
シモン達はドドンゴの洞窟にいた。さっきからデッドはしくしく泣いている。それに対してアルマは容赦がない。
「うぅ…本当に行くゴロ?」
「当然よ。自分でまいたタネなんだから出た芽は摘み取りなさい」
「今まででも洞窟に入ったゴロンはいるゴロ!!でも一人も帰ってきてないゴロよ!!」
デッドは一人も帰ってきてない所を強調して言った。アルマはあっさりと
「あらそれは楽しみね。だったら早くはいりましょうよ」
とデッドの言葉をかわす。アルマはわくわくしながら先に入った。まるでこれから盗掘に行くみたいだ。
「ゴロ!?」
デッドの体が一瞬硬くなる。なんかの病気か。
「アルマ待ってよ〜」
シモンも先に行ってしまった。デッドはただ一人洞窟の入り口に立ち尽くして「はあ…」とため息をついた。