□悠々閑々
1ページ/3ページ


静かな部屋で、響くのは傀儡を弄る音だけ。
お互いに一言も話さないまま、如何程の時が経っただろうか。
だが不思議と、苦痛ではない。


「退屈しないか」


マツリは何をするでもなく、オレの背中にもたれ掛かっている。


「しないわ」
「そうか」
「とっても楽しい」
「それは、不思議な話だな」


何もしないのに楽しいなんてことがあるだろうか?
背中越しに、マツリが笑ったのが分かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ