※バリアンで小ネタ
今日は流星群の日だと名前が言っていた。流星群とはなんだと彼女に聞くと、彼女はバカにするでもなく教えてくれた。
「星がね、たくさん流れるの」
その様子が想像も出来なくて、私が彼女に見てみたいと頼みこんだら、彼女はいいよと頷いた。
アリトとドルベは然して興味が無いようで寝てしまったし、ベクターは復習があるからという真面目発言と共に部屋に隠っているため、二人きりだ。
深夜に家を出て、近くの公園へ向かう。その公園は灯りが無く真っ暗だ。
「ここは田舎だから、キレイに見えるよ」
公園に着くと、彼女はベンチに座り、おいで と手招きをしてくる。私はその誘いのままに隣に座った。
「はい、ブランケット」
「ああ、悪い」
彼女は抱えていたブランケットを広げると、私の肩にかけてくれた。一つのブランケットに二人で入ると肩がぶつかり、少し緊張する。
「ミザエル……」
「なんだ…?」
「寒いね…」
「……………ああ」
空を見上げながら会話をする。彼女の声は細く、優しく、私の耳に響く。近くで聞こえる彼女の声が私の胸を高鳴らせた。
ぼーと空を見ていると、キラリと何かが走った。
「流れ星!流星群がはじまったんだよ!」
それからだった。素晴らしかったのは。
たくさんの光が空をかけ、キラリキラリと瞬く。
濃紺の空を走る白い線に、私は声を失った。
「ふふ」
圧巻な光景に感嘆していると、隣にいる彼女がくすり と笑った。 どうした?私がそちらに首を巡らせれば、彼女はうつむいて手を胸の前で組んでいる。
何をしている? 私が問えば、彼女は小さな口を開いた。
「お願い事だよ」
「願い?」
「そう、流れ星にお願い事をすると叶うんだよ」
何を願うんだ? 私が聞くと、彼女がこちらを向いて眉根を下げる。口元だけは弧を描いていて、すごく………形容しがたい表情をしていた。悲しいのか、嬉しいのか。分かりにくい表情をしている。
「すごく、穢いお願い」
彼女は言うと、こてんと首を傾げ、私の肩に預けてきた。
穢い、お願いか……。
なんとなく、予想はつく。
多分、「ずっとそばにいて欲しい」とか、そういうのだ。私たちは、目的を達するために元の世界に帰らないといけない。だから、その願いは……叶えられない。
「名前……」
「ごめんね……ミザエル」
彼女はそう言うと、閉じた瞳から涙を流した。
そばにいたい。そばにいたいさ。
けれど…………。
私は言葉を飲み込み、空を見上げた。
……………………………………
なにこれ? 小ネタ主はミザエルが好きなの? とか思いました(笑) 違いますよ!