YGO短編2

□星屑と化す前に
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「遊星ってさ、全然甘えないし、頼らないし、自立しすぎてて、逆に危なっかしいよ」


唐突にそう言った名字の言葉に、俺は首を傾げることしか出来なかった。 俺はDホイールを調整する手を止め、手にしていた工具をしまう。そして、ガレージの階段に腰かけていた名字を見据え、質問を投げ掛けた。


「それは、どういう意味だ?」
「どうもこうも」


彼女は立ち上がり俺に歩み寄ると、手にしたタオルを渡してくれる。俺はそれに一言感謝をし、受け取った。彼女は穏やかに、嬉しそうに微笑んで、俺の脇に座り込む。そして、続きの言葉を発した。


「言葉のままだよ。なんか、誰にも弱味を見せなさそうで、いつか抱えたものを爆発させそう」
「そう…か?」


自分ではよく分からないが、名字にはそう映っているのだろうか。俺の投げ掛けに、彼女は眉尻を下げなから肯定した。やけにきっぱりと。


「遊星、なんかあったら頼ってよ。私を、頼ってよ」
「しかし、迷惑になるだろう」


「バカ」。俺の言葉をその一言で一蹴した名字に、一つ小突かれた。痛くは無いが、反射的なものでまぶたを閉じてしまう。


「遊星に迷惑をかけられるなんて、めちゃくちゃ嬉しいことだよ。もっと弱味を見せて、私を頼って。力になれるように、頑張りたいから」


真っ直ぐと俺を見据えながら言う名字に、気付けば腕を伸ばしていた。その小さな肩を、背を抱き締める。離しはしないと、強く、強く。


「遊、星……っ」


名字の声が、耳を掠める。その声が、俺の心を熱くさせる。ドクンドクンと高鳴る胸を押さえることもせず、ただ抱き締める。

俺の力になりたいという彼女に、限りない愛しさを感じた。離したくないと、傍にいたいとそう思った。だから、俺は名字を抱き締めたのだ。この思いが、伝わってしまえばいい。言葉に出す勇気など無いのだから、だから、このうるさい鼓動と共に、名字に伝わってしまえばいい。
愛しているが、伝わればいい。


「遊星………」


彼女の華奢な腕が、俺の背中に回った。小さな掌は俺のジャケットを掴む。クシャリ という音がした。
名字は何度も俺の名を紡ぐ。その声が、俺の脳内をじわりじわり と焼いていく。


「私は、遊星のためならなんでも出来るから………」


そう言う彼女の身体が小刻みに揺れているのを感じ、俺は抱き締める腕に、更なる力を込めた。






……………………………………


遊星birthday! 完全にアニメ版遊星ですけど、申し訳ありません( ;∀;)

遊星さん!大好きです!

唐突に書き始めたので、ぐちゃぐちゃな文ですね。




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