YGO短編2

□Gentian
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レッド寮にある私たちの部屋に入った瞬間、ガチャリというロック音がした。 いつもなら、寝る寸前までは開けている扉を施錠したのだ。
私がそれに驚いて振り返れば、いつの間にか私より20cmも高くなった身長を持つ十代が立っていた。まぁ、この部屋は私と十代のだから、十代以外がいたらおかしいのだが。
部屋は薄暗く、距離感が掴めない。十代の肩の向こう側にあるスイッチに、明かりを点けようと思って手を伸ばすと、その手首をガシリと掴まれた。もちろん、それも十代である。


「十代………?」


私がそっと名前を呼べば、手首に更に圧力が加わった。流石に痛い。ギリギリと、骨が軋む音までする。
私が抗議をしようと口を開けば、いきなり目の前が明瞭に見えるようになる。多分、暗闇に目が慣れたのだ。その所為で、私は言葉を失った。
今にも泣きそうな顔で、十代が私を見ているのだ。何かを言うなんて、出来ない。


「十代、どうし」


暫くの沈黙の後、どうしたの?と疑問を投げ掛けようとすると、視界がいきなり横になり、木目が目に入る。見慣れた光景。狭い三段ベットの二段目だろうか。
理由は分からないが、十代が私をここに押し込んだのか。そうゆっくりと思考し、ここから出ようと身をよじると、今度は手首をマットレスに縫い付けられ、至近距離に十代の茶色の瞳が見える。もしかして、今、こんな狭いところに二人で入っているの? そう思うと、無駄に動くことが躊躇われる。


「名前………」


私の名前を奏でた十代の表情は、近すぎるためか、覆い隠す髪の毛のためか分からないが、視認出来ない。でもただ、その声色で、苦しいと思っていることだけは分かった。


「お前と俺はタッグパートナー。だから今だって、四六時中一緒にいる。こうやって、寝る部屋も一緒」


ほぼ囁きのような声も、近すぎる距離では、簡単に拾える。十代はそうして、絞り出すように続けた。


「でもさぁ、俺はお前が好きで……。こんな酷なことってないよな。俺自身、今までよく我慢出来たなぁって思っている」


でも、もう無理っぽいぜ。 その言葉に、私は身震いを覚えた。
十代はそのままゆるりと動いて、私の肩口に顔を埋めてくる。そして、彼の右手は私の制服をはだけさせた。私が驚愕のあまり、声も出せずにいると、十代の頭が動いて、首元まで至る。息がかかって、何とも言えないむず痒さを感じる。首を竦めながらも十代に質問をしようと開いた口は、思わぬ嬌声を上げた。
十代が首筋を舐め始めたのだ。くすぐったくて、私はいつの間にか自由を取り戻せていた掌でシーツを掴む。静寂と暗闇には、私の嬌声とシーツが奏でる音、それに寝台が軋む音しかしない。


「十代、くすぐった……!!」
「くすぐったい?なら…」


そう呟いた声が耳を掠めたと思ったら、今度は首筋に犬歯を立てられた。 甘噛みなのではなく、本当に補食するような勢いの噛み付きだ。


「いった、い…!!」


私が声を上げるが、十代は聞く耳を持っていないようで、止めてくれはしない。犬歯が肉に食い込んでいく。ギチギチと音をたて、きっと内出血をしているだろう。


「たい、十代…!!痛いよ…!!」
「ん」


満足そうに小さく言った十代は、やっと口を離してくれた。「マジで噛んだら、大動脈いきそうだし」と言う彼の台詞は、聞かなかったことにする。


「痛いのは嫌なのかよ」
「嫌に、決まってるじゃん…!!」


涙の滲む瞳で十代を睨めば、彼はふっ と不敵に笑って、やっと私の上から退いた。


「分かっただろ?俺は男なんだって」


十代の台詞に、私の頬が熱を持つ。 十代がお風呂に向かったのを確認してから私は首筋をなぞった。
チリチリと焼けるように感じるそこは、きっと赤い痕が出来ているだろう。十代の好きな赤が。まるで、所有者が誰であるかを証明するように。






……………………………………


私の妄想の塊ですwww 晒します!
とりあえず、十代に首筋ハムハムされたかった←




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