※変換無し
定期テスト。それは学生にとってはまさに立ちはだかる壁。
「…という訳でアキちゃん頼む!数学教えて!」
学年次席の才女アキは友人である郁に頼まれていた勉強会の準備をしていた。
同居人であるドルベ、アリト、ミザエルももテーブルを片付け、部屋を掃除していた。
空が暗くなる丁度その折、チャイムが鳴る。
「来たか。…何だ?その包みは。」
彼女はいつもの学生かばんと、唐草模様の風呂敷包みを持っていた。それがなんとなく似合っている。
「いやいや、お世話になるんだからご飯くらい持ってこうって思っただけ。…ギラグさんが。」
あの人細やかな気遣い上手いと悪びれてない。
はぁ…とため息をついたドルベをよそに、郁はおじゃましまーす、と奥に向かった。
「だからここで微分するんだよ。」
「ベクターまじ数学すげえ!」
どちらかというと文系なアキと郁はベクターに数学を教わっていた。範囲は微分積分だ。
唐突に誰かのお腹が鳴る音がした。
「腹…減った…」
消え入りそうな声のアリトにアキは苦笑いして、「御飯にしようか」と机の上の消しゴム滓を払いのけた。
綺麗になったテーブルの上にお茶が置かれる。
にやにや笑う郁に早速呆れるもの、緊張に身を強ばらせるものもいる。
「ジャーン!今回の趣向は『ロシアンルーレット風サンドイッチ』!」
風呂敷包みの中からは大量のサンドイッチが並べられた。
「全部種類が違ってるよ!知ってるのは私だけ。」
「郁ちゃんもえげつないね…これにしよ。」
中身が緑色のものを手に取るアキ。
「それはね…アボカドかな!」「なあ郁ちゃんよお、お前が作ったってことは当然ハズレつきだよなあ?」
「もちろん!」
「アボカドおいしい!」
「爽やかな笑顔で何言ってんだよ…」
* * * * *
「ハズレはわさびがミザエルでタバスコがアキちゃんで漢方薬コロッケがアリトか…」
「無残な絵だな…」
「よかった…」
「内心ホッとしてるだろミザちゅわ〜ん?あんなのそとでわかるじゃねえか。」
辛味または苦みで悶える三人。
「こんの…郁、デュエルだ…」「ごめんみんな…でも私も忘れかけていたんだよ?でもデュエルなら私の可愛いワームが受けて立つ!」
「そのあとは私いいかな?」
「私のタキオンでたっぷりこの借り返してやる!」
「これって勉強会だったよな…」
ベクターは独り問題集を解き始めた。
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ちょくちょく様のフリリクで頂いてきた夢主コラボです!
ベクターがおかんすぎて吹きましたwww