大空(長編)灼眼のシャナ
□第二話「朝」
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浴室からくぐもった水音が聞こえる
その音を子守唄にしながら夢と現実をうつらうつらしていた悠二はなんとなく時計に目を向けた
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何の飾り気もないデジタルの時計
(昔だったらもう鍛錬を始めてる時間だな・・・)
こっちに移って来てからは特に時間に縛られない生活
通っていた学校もそこにあることが当たり前だった家も、ここにはない
それは自分が選んだ道
友人を、家族を、愛する彼女を救いたい
守りたいと願い
そしてこの道を進み、成し遂げた結果
そして、これから新しい道を作る
「徒と人間の共存」
あのときのように一人ではなく
二人で・・・
一緒にこの道を進み、いつか成し遂げる
それは何百年、何千かかるかわからない夢
でも、幻ではない確かな希望
(僕は、やることをやる。シャナと一緒に・・・)
悠二は浴室の扉を眺めた