BLEACH Novel

□雪の降る夜に
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雨「此処が僕の部屋。毛布があるからそれを身に巻いておくといいよ」



彼女はゆっくりとベッドに座り、毛布を体に纏った。



雨「温かい飲み物を持ってくるから、待ってて」



僕は部屋から出た。




リビングに向かうまでに色々と考え込んでいた。


彼女は一体何処から来たのか。
どうしてあの雪の中薄い服装だったのか、等。





僕は飲み物を持って部屋に入った。

日向さんはベッドに座ったまま、窓から見える雪を眺めていた。



雨「はい、これで少しは暖かくなるよ」


彼女にティーカップを渡すと、僕の手を包み込むように受け取った。


まだ、冷たい。



雨「外は凄い雪だな…。君はどうしてあんな雪の中…」


その問いに彼女は答えてくれるつもりだろう。
指でペンを持っているように手を動かした。


書くものをくれ、と言っているのだろう。


メモ用紙とサインペンを渡すと、スラスラ書き始めた。




書き終わったのか、メモ用紙を僕に見せる。




【分からない 気付いたら外にいた】



これじゃあ何の手掛かりにもならない。


雨「成る程。おっと…もう1時か」


時計を見ると、翌日になっていた。


雨「日向さんは此処で寝るといい」


彼女はまた何か書いた。


【雨竜、君はどうするの】


綺麗な瞳が真っ直ぐ見つめている。
僕は急に恥ずかしくなった。


雨「ぼ、僕はリビングで寝るよ。……おやすみ」


【おやすみ】






リビングの灯りを消した。

リビングのソファに寝転がり、小量でテレビを見ていた。


雨「昨日は雪なんて降らなかったのに。気候はあべこべだな」


ニュースによると明日まで雪が降るそうだ。

テレビを消し、目を閉じる。

ふと、日向さんの笑顔を思い出す。

すると、顔に熱が集まってきた。



雨「うっ…」


心臓の音も一段と速くなっていく。




僕はこの夜、暫くは寝つけなかった。
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