NOVELの扉
□桜
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今日は久しぶりのデート!
彼女から突然デートしたいと要望があったので僕はあっさりOKしちゃいました!
寝癖付いてないか、目の下に隈は出来てないかを鏡で丁寧に調べる。
「よぉ新八君?朝から鏡見ちゃって…ナルシスト化現象ですか?」
「銀さん!つーか、何ですかナルシスト化現象って!」
「ほら、ガキが学校でドーナツ化現象とか習うだろ?アレを何処でも使いたがるんだよな〜ガキは」
「関係無いじゃないですか」
「頭の天辺だけはげてるおっさん見て、あっドーナツ化現象だ!とか言ってくだんねぇとこで使いやがるんだよ」
「関係ねぇだろ!何ださっきから子供のあるあるをしみじみ語りやがって!」
「だーかーらー!使いたかったの、分かる!?ナルシスト化現象を使ってみたかったんだよ」
「自分のあるある語らないで下さい!ってか何で使いたかったの!?アンタのそういうトコほんと分かんねぇ!」
「まだデートまで3時間あんじゃねぇかよ…」
あ、銀さんにはバレてたのか。
「久しぶりだからつい舞い上がっちゃって…ははっ」
「しっかし空っちも仕事忙しいのになァ」
そう、空さんは此処らじゃ有名な花魁なんだ。
「仕事よりこぉんなありきたりなメガネを選ぶなんて…夏バテかな」
「いや、今春だし!何処見て夏とか言ってんスか!窓から思いきり桜見えてんでしょーが!ありきたりなメガネで何が悪い!斬り殺すぞ!」
全く……こんな日でも銀さんのツッコミをしなくちゃいけないなんて…
僕の自由は何処にあるんだろう。
教えて下さいよ…空さん
「こらメガネ!そりゃ鏡に写った自分だ!ほら、気持ち悪ィからさ!戻ってこい、新ちゃん」