NOVELの扉

□万事屋に拾われて
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あらら…ぶつかった相手は女性ですか。


ちょっと待て、今非常に大変なことをしていないか俺は。



ぶつかった相手を押し倒している状態なんですけど。


見ず知らずの女性を襲いかけてる男みたいになってんだけど!?


ああ!周りの目が痛い!

は、そうだ!すぐ退ければいいだけの話じゃねぇか!


「あ、す…すみませんねぇ!?お怪我は無かったですか?ハハッ…」


あ……よく見るとすンげぇ美女だな、おい。


銀髪の長い髪……銀髪、俺とかぶってんじゃねぇか。

紅い瞳に真っ白な肌。
着物から見える細く長い脚。



超ドストライクなんだけど!!

いやー銀さん久しぶりにときめいちゃったよ。



『あの……これ、買いたかったんですよね……』


ジャンプを両手で持ち、恥ずかしそうにそれで顔を半分隠すドストライクな美女。


控えめ美女ごちそうさまでした!



「そりゃそうなんスけど…お宅が先に取られたので…」


『お譲りします……』



ジャンプを俺に譲ろうとする美女。
先にジャンプ取ったのそっちだしな…


「いや、早い者勝ちですよ!どうぞあなたが…」



『私……立ち読みしに来ただけなんで…』



美女はそう言ってジャンプを俺の胸に押し付けてきた。


俺より大分背が低いからかなり上目使いで見られてる…。


「買う予定じゃなかったんスか?」


『お金……持ってませんから……』


貧乏なの、この子?
いやうちも貧乏だけどさ!


「そ、そうなんスかぁ〜!家も無い系で?」


いかぁぁああん!!!
こんなこと聞いちゃいけないよ!

例えお金が無くても家ぐらいある人いるさ!
失礼なこと聞いちゃったよ〜!



『はい、何せ今日……丸腰でこの町に来たものですから……』


今日?
通りで見かけねぇ顔だと思った。


「ご家族さんは?」


『実家にいます…。私、家出しちゃってて……』


家出…なるほどね。
宿屋に困ってるだろーなぁ…


「俺の家、来るか?そんな濡れ鼠ンなってたら風邪引くぜ?」


『い、いいんですか?』


「もちろんよ!あ、その前にジャンプ買ってくるわ。傘、持っとけ」






と、言うことで美女を万事屋で預かることになりました。
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