バスケの星
□プロローグ
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『うぇーん』
『もぅ泣くなよ』
いつまでたっても泣き止まない茶髪の女の子に赤い髪の男の子が困り果てている
『だって、もぅたいちゃんに、会えないんだもん』
『俺だって寂しいけどよ』
どうやら転校してしまう友達との別れを惜しんでいる様子
子供にはどうしようもない現実に納得などできはしなかった
『大我、そろそろ行くぞ』
『あ、うん・・・』
『たいちゃん・・・』
『ごめんな、けどお前のこと忘れないから』
『絶対?』
『絶対。だからもぅ泣くな』
『うん』
そう言って別れた数年後、赤い髪の男の子は見事に女の子を忘れていた
「お前、誰?」