氷と異世界の星
□不安渦巻く希望
1ページ/3ページ
「立ち去れ」
ウェンディたちによりもたらされた情報をもとにアカヤたちは南の村に来ていた
が、着いて早々に言われたのが
「よそ者は立ち去れ」
だった
「いきなりかよ」
「あの、私たち…」
「立ち去れ」
「聞けよ!!」
「聞く気もなしか」
「困りましたね」
村の村長と名乗る老人はびゅん、と持っていた杖を振り威嚇する
「よそ者が村に入ってはならん。そういう掟じゃ」
「村、じゃなくて、いい」
「アカヤ?」
ここまで黙ってやり取りを見ていたアカヤが不意に口を開いた
「用があるのは、山、だから」
「山?」
見ると村の向こうには大きな山がそびえ立っていた
山は高く頂上は雲で覆われていた
「そこに探しているものがあるんですか?」
「た、ぶん」
「多分なんだね;」
「ならん」
「山でもダメなのかよ!」
「山だからこそ、だ。山に入れば『全てが目覚め全てが終る』のだ」
「それでも行く理由が、ある」