ジェットコースターは急降下。

□唄×四弦
1ページ/1ページ

この行為が生殖目的だけならば、今の時間なんて、無駄なものでしかないのだろう。









「り、竜ちゃ、」







首筋に顔を埋めたら、いつもの爽やかな香水の匂い。












「…っ、は、たぁし、く、すき…」








漏らした言葉に、正くんは返答せず、僕の背中に腕をまわして、持てる力総動員で締めつけてくる。







「や、も、イっちゃ…、」









繋がっている中の方も強く締まって、正くんの前から、白濁が爆ぜた。



少し遅れて、僕も絶頂に達する。











僕らにしか、意味のない行為。












世界を物理的に、人間を科学的に見るのなら、ただ体に少々の無理をかけて、時間を無駄にしただけなのかも。















竜ちゃん、難しい顔してる。












正くんに言われて、眉間に入っていた力に気付く。








そうかな。







うん。今度の詞に使えそう?なんてー。












使えるような、綺麗なこと考えてないわ。






言葉を飲み込んで、行為後の虚無感を受け入れるほか、無い。












俺らは、少なくとも生きてる間だけは肉の塊なんかじゃなくて、この確かな気持ちにだって、存在の意味はあるんだよね?












悲しくなった俺をの顔を、正くんの小さい両手が包む。












正くんだって、悲しい顔してるよ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ