ジェットコースターは急降下。
□唄×四弦
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この行為が生殖目的だけならば、今の時間なんて、無駄なものでしかないのだろう。
「り、竜ちゃ、」
首筋に顔を埋めたら、いつもの爽やかな香水の匂い。
「…っ、は、たぁし、く、すき…」
漏らした言葉に、正くんは返答せず、僕の背中に腕をまわして、持てる力総動員で締めつけてくる。
「や、も、イっちゃ…、」
繋がっている中の方も強く締まって、正くんの前から、白濁が爆ぜた。
少し遅れて、僕も絶頂に達する。
僕らにしか、意味のない行為。
世界を物理的に、人間を科学的に見るのなら、ただ体に少々の無理をかけて、時間を無駄にしただけなのかも。
竜ちゃん、難しい顔してる。
正くんに言われて、眉間に入っていた力に気付く。
そうかな。
うん。今度の詞に使えそう?なんてー。
使えるような、綺麗なこと考えてないわ。
言葉を飲み込んで、行為後の虚無感を受け入れるほか、無い。
俺らは、少なくとも生きてる間だけは肉の塊なんかじゃなくて、この確かな気持ちにだって、存在の意味はあるんだよね?
悲しくなった俺をの顔を、正くんの小さい両手が包む。
正くんだって、悲しい顔してるよ。