ジェットコースターは急降下。
□赤髪六弦×おかっぱ唄
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「やめろって…かはっ」
頬を強く殴られる。口の中に血の味が広がって、衝撃を受けた箇所に、痛みが重く、響く。
「竜太朗くーん、気持ちいいかなー?」
「…キモ、さわんじゃねーよ!!」
店と店の間で、学ラン姿の4人の男に押さえつけられている状態。さらにもう1人は、携帯電話のカメラをこちらに向けて、下品なにやつきを浮かべている。
学ランなんて、もちろん誰一人本来の着方でなんて、身につけていない。
だらしなく、半端に開いた前ボタン。
要するに、ヤンキーだ。
離れた場所から、通行人の、僕らには関係のないざわめきが止まない。
この暗がりの外は、大通りなんだから、当たり前だけど。
Tシャツの下から、主犯格の手が侵入して、胸の突起を無遠慮にこねられる。
汚い、さわんな。
嫌悪感と屈辱しか、俺には無い。
「竜太朗くーん」
人の名前を、馬鹿にしたような、なめ回すような風に呼ばれる。
コイツラ、誰だっけ。
あぁ、昨日の夜、歯折ってやった奴の、横にいた。
敵討ち?復讐?
力じゃ叶わないから、って複数人で強姦みたいな真似か。
効果はでていないが腹立たしいことに、媚薬まで盛られていたみたいで、絶賛具合が悪く、反撃しにくい。