短編
□正反対
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閻魔大王第一補佐官の鬼灯と言えば、真面目、朴念人、亀みたいなツリ目…と言うようなイメージだろう。
そして、第二補佐官の名無しさんと言えば、真面目に不真面目、人当たりが良い、パンダのようなタレ目…と言ったイメージだ。
二人は基本的に合うことがない。
そして、今日も…
『女性の下着の色と言えば黒でしょう!!』
「いいえ、断固白です!!」
『何でですか!?白い肌がより目立つのが良いんでしょう!!』
「いいえ、純白であってこそ乙女と言うものです!!」
「まぁまぁ、君たちそんなことで争わないでよ。名無しさんに至っては女の子でしょ…」
『そんなこと関係ありません!「大王はどっちが良いんですか!!」』
口を挟んだことによって、下らない喧嘩に巻き込まれた閻魔大王は、自分を睨んでくる二人の補佐官にたじろいだ。
「えっと…青色とかかな?」
閻魔大王が言った瞬間、二人は互いに目を合わせた。
『ほら、青は白よりも黒に近いじゃないですか』
「青は青でも最近では水色を青と言う方もいます」
『それってただのこじつけですよ』
「いいえ、事実です」
二人はまた睨み合った。しかし今度は名無しさんが、視線を反らした。
『もういいです、大王私ちょっと天国まで行ってきます』
「え?う、うん」
「待ちなさい名無しさんさん仕事は終わったんですか?」
『白澤様の所で薬を貰ったら終わりですから』
そう言うと名無しさんは足早に閻魔殿を出ていった。
「君って本当素直じゃないよね」
「…煩いですよ早く仕事をなさい」