宇宙の病院船(妄想)


□人物ノート       ビルキス・イザード
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ビルキス・イザードは2280年生まれ。父が病院長、長兄キースがその跡を継ぐという医師の家庭に育ち、彼女も少女時代から自ら意志的に医者をめざした。キースはその頃からビルキスに厳しく接し、彼女の勉学についても、自分自身で、知りたいことを探究し、身に付けたことを実践する方法を見つけるように、敢えて突き放す場合も多かった。


大学卒業後、兄が院長を勤める病院で、研修医となったビルキスは、まず離島の診療所に派遣された。そこで赤ん坊から高齢者までの日常の診療、救急医療、外科手術、軍のヘリによる本土の病院への急患搬送の手配などの経験を積んだ。


キースが富裕層対象の無保険最先端医療に力を入れ始めると、ビルキスはどうしても馴染めないものを感じ、本院のER室勤務の辞令を拒んで辞職した。最初教会のセツルメントの病院で貧しい人々の治療に当たり、のち途上国の医療支援に赴いた。


MSパイロットだった次兄アースキンの死を契機に、メディカル・スペースシップの計画を立ち上げたキースに再び呼び戻される。救助の手があればアースキンに生存の可能性があったことは、ビルキスの心にも重いものを遺した。


※因みに、アースキンが参加した大規模な宇宙戦役とは、ガンダム00・1期最終話のCBと国連軍の決戦を念頭に置いている。


更にキースがビルキスを迎えた時に言った「貧しく、病む人々のための病院はあるが、MSパイロットのための宇宙での救命医療はまだ確立されていない。救いの手を必要とする命がそこにある限り、医療に手の届かない領域があってはならない。今手が届かないからこそ、医者として自分はやるのだ」という言葉に深く納得して復帰し、キースの計画に協力する決意を固めた。


病院のER室で救命医療の経験を積む一方、スペースシップで救命クルーとして活動できるよう、宇宙に上がるための訓練を重ねた。
負けず嫌いで気性の激しいところのあるビルキスは、キースが次々課してくる難題とも思えるミッションに、挑むようにして取り組んだ。キースに反発して離れた時も、彼女はキースのもとにいるより楽な道を選ぶことはなく、意地でも困難な仕事の方を選んでしまうのだった。結果的に、それが彼女を鍛えた。



初出・2012/07/19 フォレストブログ
 

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