ボカロ夢小説

□甘い魔法
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朝。
カーテンの隙間から入る光がベットで眠っていた名無しさんを照らし、名無しさんは眩しくて目を覚ました。

「今何時……?」

枕の隣に置いてあった携帯を手に取ると、現在の時間を確認した。

「6時38分……。 もうそろそろ起きなきゃ」

名無しさんはベットから降りようと上半身を起こした時、いきなり肩を誰かに掴まれ、ベットに倒されてしまった。

「何!?」

お腹に手を回され、名無しさんは動けなくなってしまった。

「マスター、いい匂い。 あぁ、お花の匂いだね! それに、お日様みたいに温かい……」

帯人は名無しさんの首に自分の頬をくっつけ、子犬のように名無しさんの匂いを嗅いだ。

「ちょ……っ くすぐったいよぉ、帯人!」

名無しさんは頬を赤く染め、帯人から離れようと必死に足掻くが、大人の男性である帯人に力が敵うわけもなく、ただされるがままだった。

「クス……。 可愛いですよ、マスター」

帯人は名無しさんをじっと見つめた。
帯人のまっすぐな視線に名無しさんの鼓動はドキンと跳ねた。


(こいつは時々、大人っぽい顔をする。
いつもは猫みたいに甘えてきたりするのに……。

私は帯人がたまに見せるこの表情に弱い。

まるで、魔法にかけられたみたいに身体が動かなくなってしまう……)


しばらくの間、名無しさんは帯人を見つめていると、帯人の大きくて綺麗な手が名無しさんの頬を触れた。

「柔らかい……。 赤ちゃんみたいな肌ですね」

帯人は名無しさんの頬を優しく撫でると、
名無しさんはリラックスした。

「帯人……」

二人の顔の距離は近く、帯人に名無しさんの吐息がかかる。
頬を赤く染め気持ちよさそうな名無しさんの表情をみた帯人は息をこぼした。



「マスター…。 
そんな顔しないでくださいょ……」



「え……?」


一瞬、その言葉が理解できなかったが、次の瞬間私は思い知らされるのだった……。
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