勇者達の翌朝(新書)

□旅の始め
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新書「旅の始め」1の1

グラナド、もといピウストゥス・オ・ル・コーデラの王位継承と、カオスト公の陰謀に対する、味方と敵の分類について。

まず、グラナドの王位と、カオストの陰謀の妨害の、両方に賛成な者。
仮の女王クラリサッシャ王女。本人は上級神官のため、神官長を望んでおり、王位はまだしも婚姻は望んでいない。また、神官長候補が辞退して王位に、という動向を、宗教的・政治的に疑問視。
騎士団長サディルス・オ・ル・クロイテス。ディニィの系譜であるグラナドを第一位の後継者と考えるため。
王女の侍女のクロイテス夫人シスカーシア(グラナドの教育係りでもある。)。出産により死亡したディニィの事を考慮し、体内にかなりの魔法結晶を入れた、上級以上の神官であるクラリサッシャの身を案じている。
クロイテス伯爵家。
シスカーシアの実家のタルコース伯爵家。
オルタラ伯爵家。
なお、騎士団はクロイテスに従っている。
ヴェンロイド領にいる、第二王女レアディージナ本人。子供の頃は体が弱く、公務は免除されてきた。自分を推す声もあるのは知っているが、「重責に耐えられそうにない」と辞退。
その婚約者アプフェール・オ・ル・ヴェンロイド(エスカーの甥)。婚約は彼女を保護するためで、彼の意志ではないが、体の弱い婚約者を気遣い、意向を尊重。

次に、グラナドの王位には態度保留または反対だが、現カオスト公には賛同しかねる者達。
ヴェンロイド家当主夫妻(二人ともエスカーの従兄弟)。グラナドがエスカーの子であろうこと、令息が第二王女レアディージナの婚約者であるため、立場が複雑。クラリサッシャ女王の継続を支持しているように見えるが、保留。
ザンドナイス公家。グラナドがルーミに認知された立場であることを基盤に、一応、グラナド支持。ただ実際はエスカーの子である事は見当がつくため、保留。
ディニィの母・故・ロザリアンヌ王妃の実家のリュイセント伯爵家。二人の王女のうちどちらかを支持。ただし、グラナドが平民のルーミの子でなく、貴族のエスカーの子である場合は、グラナド支持。
ディニィの兄の婚約者だった、ハンナクヴィア嬢の継いだ、ラマルティス伯爵家。特に支持はないが、引退した騎士団長サングィストと親しく、彼がグラナド支持で働きかけているため、思案中。
ラッシル帝国。アレクサンドラ女帝は表向きは中立だが、テスパンのクーデターに、強制隠居中の弟が関わっていると噂があるため、噂は消したいと思ってはいる。帝国の世論としては、戦って勝った方、が多数。
魔法院長ミザリウス。クーデターで多数の若手魔導師が殺された事により、テスパンの影にカオストがいたなら、真相を究明したい。ミザリウスは、エスカーと同じく、故ティリンス師の弟子。魔導師でもあったグラナドを支持したいが、副院長のヘドレンチナが、魔法院は、もう政治には関わらないほうがよいとしているため、保留。
その他、貴族はだいたい態度保留。

最後に、明確にカオスト支持の者。とは言っても、カオストに望んでいるのは、摂政としての行動。
狩人族。勇者王と行動を共にしたキーリは、ラールと別れた後、狩人族の土地に戻ったが、注目されるのを嫌い、森でひっそり暮らしたが、ある年、久しぶりに出た自然複合体を命懸けで倒して死亡。もともとコーデラ王家に反抗的な地域で、「繋ぎ」がなくなった所に、カオスト側からの情報操作が効いた。ただし、カオスト支持は狩人族だけで、近郊のコーデラ人には当てはまらない。
元・副騎士団長の実家、ベクトアル伯爵家。ベクトアル本人はクーデター前に病気で死亡しているが、庶民の王の即位には、絶対ではないが、反対していた。もともとは騎士の家系だが、ベクトアルの死後は騎士のいない女系家族。騎士団の殆どが、カオストに反発していることは知っているが、テスパン夫人の後任として、イスタサラビナ姫の教育係りだった、カンパナ伯爵夫人は、現在のベクトアル未亡人の友人になり、カオスト家とはもともと親しく、テスパンの背後に今のカオストがいる事は否定している。
カンパナ伯爵家。夫人は教育係りではあったが、イスタサラビナ姫とは不仲で、幽閉したカオストの立場を支持。ただ、イスタサラビナ姫の素行から、その息子がクラリサッシャの婿になるのは反対。結果的には、カオストの系列に王位が行くのは反対という事になる。
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