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「なっ!?一護が記憶喪失!?」

一護を殴ったあと、恋次が真っ先に向かったのは朽木ルキアのもとだった。
本来記憶喪失のことは隊長格のものにしか伝えられない予定だったが、一護と最も関わりが深いから…と特別に許可されたのだ。

「ああ。だがかなり厄介でな。一護が忘れているのは日番谷隊長のことだけなんだ。それ以外は全部覚えてる。」

恋次の言葉に、ルキアは拳を握りしめた。
彼から怒りのオーラが滲み出ている。
あまりの迫力に恋次は思わずあとずさった。

「ル、ルキア?お前ちょっと落ち着い」

「落ち着いてなどいられるものか!」

恋次が落ち着かせようと試みるが、そんな彼女をルキアは一蹴する。
びくりと肩を震わせた恋次に、我に返ったルキアは「すまぬ」と謝った。
まだ微かに震える手を押さえつけながら、恋次はルキアに言う。

「どうにかできそうか?」

「うむ…。どうにか、はできなさそうだが個人的に腹が立っているのでな。ちょっと行ってくる。」

そう言って乱暴な足取りで出ていくルキアの後ろ姿を見つめながら、恋次はぽつりと呟いた。

「ホントにアイツに任せてよかったんかな…。」

ルキアのいたところをじっと見つめていた恋次は、はっとして彼の後を追いかけた。

「ちょっ、おいルキア!待て!落ち着いてくれ!…っ殺すなよ!!絶対だからな!!」

彼女の悲痛な叫びが、13番隊舎にこだました。













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