NARUTO【テンカカ】

□いつかきっと【SIDE:K】
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自分にそう言い聞かせながら歯磨きを終え、リビングに戻る。

「何やってんの? テンゾウ」

ソファに寝具を用意していたテンゾウに向かってカカシが声を掛ける。

「見てわかんないですか? 寝る準備してるんです」

「それはわかる」

(そういう意味で言ってんじゃないんだけど)

「じゃ、僕も歯磨いてきます。カカシ先輩はベッド使ってくださいね」

そう言ってテンゾウは洗面所に向った。

(いつも一緒に寝ようって誘うオレの気持ち考えて欲しいよ。テンゾウ。
いくらオレでも毎回断られると結構きついんだけど)

カカシはソファに腰を降ろしテンゾウが戻ってくるのを待っていた。

「どうしたんですか?」
「一緒に寝ようよ」
「いえ、僕はソファで寝ますから、先輩はベッド使ってください」

いつもの断り文句だった。

(確かに男同士だけどさ。オレが男女拒まずって噂は耳に入ってるだろうし、
実際そうだったけどさ。今はテンゾウだけなんだよ)

「なんで一緒のベッドで寝ないの?」

いつもはここで引いて大人しく寝室に向かうのだが、今日はちょっと聞いてみた。

「え? いや、その、二人だと狭いじゃないですか」

テンゾウの顔に動揺の色が見えた。

(気があることくらい気づいてるんだよ、オレは。
直接言葉で誘わないと分からない年でもないんだから察して欲しいよ)

「そう? くっつけば狭くないよ」
「あー、暑いですよ」

テンゾウはカカシから視線を逸らして言葉を返した。

「エアコン入れてるから暑くないでしょ」
「・・・・・・」

テンゾウの言葉が詰まった。

(苛めてるわけじゃないのに、なんだかオレが悪者みたい)

「・・・そんなに嫌なの? オレと寝るの」
「嫌じゃないですけど・・・」
「じゃなんで?」

カカシは聞いた。
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