NARUTO【テンカカ】
□いつかきっと【SIDE:T】
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カカシはテンゾウに問いかける。
テンゾウが先輩以上の想いを抱いていることをカカシは感じていた。
カカシも口には出さないがテンゾウへ好意を抱いていた。いわば両想いだ。
普段は積極的に接点を持ったり、至れりつくせりなのに、
肝心なところでは遠慮しているようにも見える。
(逆ですよ。嫌なわけじゃないじゃないですか。
僕はまだ先輩に告白する自信がないんですけど、恋人になりたいと思っているんですよ。
だけどまだ先輩の大事な人になれていないのをわかってるから、
大事な人になれるように努力しているんです)
「・・・・・・」
(だから、その場の雰囲気で身体だけの関係を持つなんてできないんですよ、先輩)
テンゾウは言葉に出来ず黙り込んでいた。
「ゴメンね、テンゾウ。おやすみ」
「あの、カカシ先輩っ!」
カカシはそう言ってリビングを後にした。
閉じられた寝室のドアの鍵を、カカシが掛けていないことを知っていたが、
テンゾウはそれ以上踏み込めずにいた。
(先輩と一緒に寝るのが嫌じゃないんですよ・・・)
今までのテンゾウであれば、カカシ程の経験はないにしろ、
好きな相手にもっと上手く振舞えていたのだが、
カカシ相手だとなかなかそうはいかない。
「はぁ・・・」
ため息をついてテンゾウはソファで眠りについた。
暗部に入隊したときから、テンゾウはカカシに惹かれているのだ。想いは募り、
テンゾウの中でカカシの存在が大きくなっている。
どれくらいでカカシの大事な人になれるのか自身はないが、いつか自身を持ってカカシに想いを伝えたいと内に秘めているのだった。
(僕が告白するまで、もう少し待っててくださいね。カカシ先輩)
END
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20131010